いびきは気道狭窄のサイン
”ガーゴーガーゴー” ”・・・” いびきが響いては静かになる。寝ている間にいびきを繰り返している方は身近にいませんか? 寝息が静かなとき、ひょっとしたら息が止まっているかもしれません
日中に呼吸をしていても音はしないのに寝ているときに響く”いびき”。実はこれ、空気の通り道(気道)が狭まっているせいです。主な原因として”のどちんこ”(口蓋垂)や舌の付け根(舌根)が睡眠中の脱力で垂れ込んでいることが挙げられます
いびきの治療
「”いびき”を治したい」と相談を受けることがよくあります。実は”いびき”そのものを対象とする治療法は西洋医学にはありません。お一人お一人の原因を探して、そこに対処していくことになります。そこで大事になるのが ”いつから(何歳から)いびきがはじまったのか” ”なにかきっかけはなかったか” です
是非とも医師に相談いただく前にご自身やご家族と振り返ってみてください。そして我々に教えてください。そこに治療のヒントが隠れていることが多いです
いびきと睡眠時無呼吸
”いびき”と”いびき”の間の静かなとき、気道の狭まりが解除されているケースと気道が完全に塞がっているケースが考えられます。5秒以上息ができなくなっている後者の状態を睡眠時無呼吸といいます
そして、ひと晩の睡眠中に一定以上の頻度で睡眠時無呼吸を起こしている状況を睡眠時無呼吸症候群と呼んでいます
睡眠時無呼吸の検査
前述のように睡眠時無呼吸は寝ている間の気道の塞がりによって生じます。覚醒中には気道の塞がりは起きていないため、日中の病院では調べることができません。睡眠時無呼吸の有無を調べるには寝ていただく必要があります。大きく分けて2つの検査があると知っておいてください
① 自宅でご自身で検査機器を装着して呼吸状態を測定する検査(簡易検査)
② 入院して専門の検査員に機器を装着してもらい、睡眠中脳波も含めて測定する検査(フル検査)
一般的には簡易検査ののちに精密検査の必要性からフル検査を受けていただくことが多いです
睡眠時無呼吸症候群があると…
睡眠時無呼吸症候群と診断されるほどの睡眠中の無呼吸状態があると我々の体にどのような不都合を生じるのでしょうか?
欧米の調査になりますが、治療を受けた患者さんのグループと放置していた患者さんのグループを比較すると、約7年の歳月を経て ”心筋梗塞や脳梗塞といった血管系のアクシデントの発生件数に30倍の差が生じた” と報告されています
また、睡眠時無呼吸症候群は日頃の高血圧や高血糖の増悪因子であるとも報告されています。高血圧や糖尿病をお持ちの方でなかなか薬で調節がうまくいかない方、調べてみてもよいかもしれません